秋葉原と言えば、誰もが認める萌えやオタク文化の聖地。日本はもちろん、世界中から観光客が集まる重要なカルチャーの発信地として知られる。
そんな秋葉原をコロナ渦になって1年半以上が経過した2021年9月中旬、平日の日中に訪れてみることにした。
なぜ平日の日中なのかというと、筆者は日本社会がコロナ渦に入る1年半ほど前まで、秋葉原の近くの会社で働いたために平日の日中の秋葉原の人出などの様子をよく知っていたからだ。ランチタイムは秋葉原で食事をしたり、グッズショップに立ち寄ることも多かったため、定点観測的にその当時と現在の違いがわかるように考えたためである。
但し、このレポートはあくまでも一個人の主観のものであることはご承知おき願いたい。
日中の人出はコロナ前の半分以下に思えた
秋葉原は観光客が多いイメージがあるかもしれないが、実際は大手IT系企業が入居する高層ビルがいくつもあったりとビジネス街という側面もある。東京駅から各駅で2駅ということもあり、業種を問わず秋葉原の近辺にオフィスを構える企業は多いのだ。
そのため、コロナ前だと昼時ともなれば近隣のオフィスで働く人たちの姿が多かった。秋葉原のグッズショップ周辺は大盛り系の店やラーメン店などが多いため、そういった店に用事がなくとも一般のサラリーマンなどの人出が多かったのである。
ところが、現在は秋葉原に多いIT系企業をはじめ、オフィスワーカーたちの多くが自宅でリモートワークをしている。平日のランチタイムが以前よりとても静かなのだ。お昼時なのに歩いている人がとても少なく感じた。
以前は多かった中国人団体観光客もいないし、欧米系の観光客グループの姿も全く見なかった。外国人観光客を全くみないわけではないが、少人数の2~3グループ程度を見かけたくらいだった。
大型のグッズショップがビルごと閉鎖していた
AKIBAカルチャーズZONEやラジオ会館のようにフロアごとに様々な店舗が入っているようなビルは、テナントが入れ替わったりしている程度で以前とそんなに状況は変わっていないような気がした。
ただ、外国人の団体観光客が皆無になった影響で、主に外国人向けに営業していたようなショップは閉鎖しているのが目についた。上の写真の右側には以前はビル全体がグッズショップで、1FやB1Fは外国人向けの値段を付けているレンタルショーケースの店が入っていたと記憶しているがビルごと閉鎖していた。
秋葉原には日本人向けの一般的な相場で値段を付ける店と、外国人観光客をターゲットにした割高な店があったが後者は外国人観光客が激減したコロナ渦においては閉鎖するしかなかったのだろう。
ヨドバシAkibaのレストランフロアが半壊状態
秋葉原は電気街に点在するPCパーツショップ巡りも楽しいが、秋葉原駅の東側にあるヨドバシカメラもハードにソフトまで様々なアイテムが一か所で手に入るのでよく行っていた。
そこの8Fにはレストランフロアがある。コロナ前は韓国料理店やスープカレーの店、豚カツなどの和食チェーン店など盛り沢山で、毎日通っても飽きないくらいに様々なテナントがあったが、今回訪れた際は何とフロアの約半分くらいのテナントが閉鎖していた。
最近になって閉鎖したテナントもあれば、フロアの内装が片付けられていて随分前に閉鎖したように見えるものもあった。
以前は近隣の会社に勤めるサラリーマンの利用者が多かっただけに、コロナ渦でのリモートワークの影響をモロに受けた形だろう。テイクアウトするにも8Fだと行き来するのが大変だし、少なくなった客を奪い合った結果が現在なのだろう。
コロナが終息してもコロナ前と同じにはならない
今回、1年半前の秋葉原を思い出しながら街中を歩いたり、よく行っていた店舗を訪れたりした。
グッズ店は以前と変わらないような雰囲気を維持しているところも多かったが、ヨドバシカメラのレストラン街の飲食店の閉鎖具合にはショックを感じざるを得なかった。なぜかと言えば、何度も利用していた韓国料理店もスープカレー店も和食店も、全部、全部、全部閉鎖していたからである。
今後、ワクチンが普及しても効果が限定的になる可能性もあるが、いつの日にかコロナが終息したとしても、2020年以前と全く同じ様子の秋葉原が戻ってくることはないようにも感じた。
※当記事のレポートはあくまでも一個人の主観によるものです