エレコムから2022年8月に発売されて、現在は実売価格4千円台(記事執筆時)で販売されているフルワイヤレス&ノイキャンイヤホン「LBT-TWS13」の音質と使い勝手をレビューする。
スマホやiPadなどと無線接続できて、ノイズキャンセリングまで搭載していてこの価格となると、かなりのコストパフォーマンスではないかと思ってしまうが、実際のところ、音質や使い勝手はどの程度のものかと独断と偏見で率直な感想を述べてみたい。
装着感は軽量で良好、付けていることを感じさせない
まずLBT-TWS13の良いところは、軽量で装着感が自然なこと。
ワイヤレスイヤホンはバッテリーを搭載していたり、有線タイプより複雑な作りになっているぶん、製品によっては重量があったり装着感がイマイチなこともあるが、むしろ下手な有線タイプより良好。付けている感じがしないくらいに軽量で、自然に耳に収まる感じがある。イヤーキャップもS、M、Lと3種類付属していて安心感もある。
シンプルな操作性で迷いは少ない
ワイヤレスイヤホンとしては最低限の設定で使える。ワイヤレスイヤホンを使ったことのある人なら、迷うことはほとんどないはず。
初期購入時は充電器を兼ねた収納ケースを開けると、スマホやiPadなどの接続側の機器から認識できるようになる。Bluetoothの接続設定からTWS13を選択するだけでOKだ。2回目以降は自動で接続される。接続や設定用の専用アプリなどのインストールの必要はなく、また用意もされていない。
注意点としてはスマホを2台使っていたり、スマホとiPadを使い分けている場合だろう。自動で接続された場合は手動で接続を解除しないと、別の機器から接続することができない。
ノイズキャンセルのほか、デジタル耳栓としても使える
目玉機能と言ってもいいノイズキャンセル周りの機能もシンプル。
デフォルトでノイズキャンセリングはONなり、ノイズキャンセルの強さ設定などはない。
効果は周囲の状況にもよるが、カフェや街中などの公共の場おいては20%~30%ほど騒音が軽減されるイメージ。完全に無音になったり、近くで話かけられたり、アナウンスなどが何も聞こえないというほどの静けさではない。
通勤や通学などで電車やバスを利用する人は多いと思うが、電車内の場合もそれなりの効果がある。主に中音域など人間の耳につきやすい部分の帯域をカットしてくれるため、電車内で音楽や動画コンテンツ、ゲームなどをする場合に効果を発揮するであろう。
但し、ノイズキャンセリングについては騒音の種類によっては得意不得意があったり、やや不安定に感じる部分もあった。
また、音楽などを視聴せずにノイズキャンセリング機能だけを使用するデジタル耳栓というモードもある。スマホなどと接続せずに耳に差し込むだけでデジタル耳栓として使える。装着感が軽いこともあり、意外と有用な機能だと思う。
気になる音質は動画視聴やゲームなどでは合格点
本機がスマホやiPadなどと接続して使うことを考えると、動画視聴やゲームなどのコンテンツの音声を視聴するシーンが多くなると思うが、それらの視聴用としては合格点と言える音質。
但し、本格的な音楽視聴用としては若干物足りない音質とも言える。様々なジャンルの聴きなれた曲をいくつか視聴したところ、ややドンシャリ気味であり、少しリバーブ系の空間系エフェクトがかかったような色付けが見られる。
小音量の時はすっきりした音質なものの、中音量では低音が強調されて中音域がへこんだ感じがしてしまう。そこからボリュームを上げていくと曲によるものの、ロック系などの楽曲の場合は意外とバランスが良くなってきて、有線タイプの5千円~1万円程度のイヤホンと遜色ないくらいに感じる場合もある。
得意な音楽ジャンルはボーカルの入っていないインストゥルメンタルやジャズ、ロック系などになるだろう。90年代後半~2000年代にかけての音圧高めの打ち込み系のJPOPは、ややドンシャリ気味で低音が強調された本機との相性はあまり良くない。
エージングが進めば音質が変わる可能性はあるが、購入直後では高域が強調されたように聴こえる場合もある。イコライザー的なもので調整したくなる場合もあるかもしれない。
まとめ 実売価格から言うとかなりコスパは良好
自宅等での本格的な音楽視聴は別の製品を使うとしても、出先でスマホやiPadなどと無線接続して気軽に使うという用途には、全体的な使い勝手は悪くないのでオススメできる製品と言える。
ノイズキャンセリングの効果もSONYのウォークマンシリーズと比べても、同等もしくは比較して70~80&くらいの効き具合はあるので、ノイズキャンセリングを初めて使う人にも問題なく勧められるだろう。