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アレンジ機能が豊富で初心者にも優しい、現役国産DAW「Singer Song Writer Lite 9.5」

アレンジ機能が豊富で初心者にも優しい、現役国産DAW「Singer Song Writer Lite 9.5」
30年近い歴史を誇り、90年代頃のDTMを牽引した国産DAWは今も健在!!

1991年にPC-9801用として初期バージョンが発売されたSinger Song Writerは、今となっては貴重な現役国産DAWだ。

まだWindowsも発売されておらず、インターネットも一般的に使われていなかった時代だが、Singer Song Writerは株式会社インターネットが開発、販売しているDAWだ。

DTMパッケージのミュージ朗などにバンドル

Singer Song WriterはDTMという言葉を作ったとされるローランド社の「ミュージ朗」や「ミュージくん」など、当時売られていたDTMのハードやソフトのセット商品にバンドルされていた。90年代頃にDTMを触ったことがある人には、馴染みがあるソフトではないだろうか。

そんな実に30年近い歴史があるSinger Song Writerだが、CubaseやStudio Oneなどの海外製DAWが主流の現在においても、開発、販売は続けられている。最新バージョンとしては、エントリークラスに「Singer Song Writer Lite 9.5(9から無償バージョンアップ可)」などがあり、後継でより高機能な上位版はABILITYという名称で展開している。

Singer Song Writerも「ABILITYファミリー」という位置付けであり、同じ系統のソフトと思って良いだろう。

90年代頃のDTMはハードMIDI音源が必須だった

90年代頃のPCはスペックが低かったこともあり、PCで音楽を作るにはハードウェアのMIDI音源を接続する必要があった。ローランドのSC-88ProなどはMIDI音源の名機として、中古市場では今でも一定の需要がある。比較的最近になってDTMを始めた人でも、中古店等で見かけたことがあるのではないだろうか。

現在ではPCスペックが大幅に上がったため、ソフトウェア音源が主流となり、オーディオデータを扱えるのが当たり前。しかし、90年代頃はPCでは楽譜に当たるMIDIデータのみを扱い、外部のハードウェアMIDI音源に処理させて再生するスタイルが一般的だった。

Cubaseなど最近のDAWではMIDI的な機能を直接意識することは、使い方によってはそれほどなかったりもするが、Singer Song WriterはMIDI音源全盛の時代に使われていたソフトなので、最新版に当たる9.5 Liteでさえも、各所にMIDI音源的な表記、機能が目立つ。

現役バリバリMIDI音源な音色指定

さすがに今のご時勢、最新版ではローランドのSCシリーズをソフトウェア化した専用のソフト音源が内蔵されているし、普通にオーディオデータも扱えるが、基本的にはバリバリMIDI音源の時代に活躍していたソフトなのである。

元のコンセプトはアレンジソフト

1万パターン以上のアレンジデータやループ素材、コード進行パターンが付属

Singer Song Writerは、CubaseなどのDAWとは元のコンセプトが異なる。

今ではSinger Song WriterもDAWとしての一般的な機能を一通り持っているが、元々はコードを入力して自動で伴奏を作るアレンジソフトだったという。

そのため、最新版でも主要な他社製DAWとは比較にならないくらいにアレンジ系の機能が充実している。

Singer Song Writerでのアレンジ制作手順

画面構成やインターフェースはそれなりに慣れや学習が必要だが、所定の場所に決められた方法でコードを入力し、アレンジ用のウインドウから好みの演奏パターンをドラッグ&ドロップすることで伴奏を作成できる。

パターンは1万程度用意されており、数十小節まとめて適用することもできるし、1小節単位で細かく作っていくことも可能。

SSWアレンジ制作例

上の曲はSinger Song Writer Lite9.5のアレンジ機能を使い、5分程度で作ったデモ曲。Audioのループ素材ではなくて、すべて編集可能なMIDIデータとして作られているので、使う側次第で様々な応用や作りこみに対応できるのが良い部分だろう。

アレンジはいくつかのアプローチから行うことができるが、「EZアレンジ」という機能を使えば、コードとイントロやAメロ、Bメロ、サビなどいった曲構成の入力情報に合わせて、ロックやポップス、テクノなど、あらかじめ用意されたジャンルの曲をスピーディに作ることができる。

初心者にも優しい紙のマニュアルが付属

作例を作りながら操作が覚えられる「Let’s Try」

最近のPCソフトはPDF形式のマニュアルしかない場合もあるが、Singer Song Writer Liteを買うと市販のガイドブックのような分厚い紙のマニュアルと、数十ページの薄い作例入門冊子が付属してくる。PCで機能名などから検索しやすいPDFマニュアルも提供される。

海外製DAWでは、最初は何をやったらいいのか全然わからない場合もあるが、こうした充実したマニュアル類は初心者に優しい作りと言えるだろう。

楽譜に強い人に断然人気

Singer Song Writerは昨今の海外製DAWで主流のピアノロールを使うこともできるが、スコアエディタでの楽譜ベースでの入力機能が充実している。

バンド経験があったり、吹奏楽の経験があったりして、楽譜の読み書きに自信がある人にはとっつきやすいだろう。

Piapro Studio(初音ミク)などVSTiにも対応

Singer Song Writerは外部音源としてVSTiを扱うことができる。

エディションによって差はあるが、Lite9.5だと読み込めるVSTiの数が少なかったり、対応しているものに制限があったりもするが、初音ミクV3/V4Xの付属エディターであるPiapro Studioが動作するのを確認した。

全てではないが、フリーのVSTiや市販のVSTiにも対応しているので、付属音源に物足りなさを感じる場合には音源をグレードアップすることができる。

まとめ – DTM、音楽初心者にはとっつきやすい国産DAW

今回紹介したSinger Song Writer Lite 9.5は、現在主流の海外製DAWに比べると、ユーザーインターフェースにクセがあったり、内蔵音源やプラグインが若干貧弱だったりと、全てが万能ではないと思う。

ただ、Singer Song Writerの特徴であるアレンジや楽譜周りの機能は、現在主流の海外製DAWにはない強烈なメリットと言える。コード進行やアレンジを学んだり、趣味で音楽制作を自分のペースで楽しみたい場合などには、十分メインDAWとしての選択肢になり得ると思う。

ボーカロイドユーザーや他社DAW所持者などは、お得に購入できるパッケージもある。実売7千円台(記事作成時)とDAWとしては安価なこともあり、メインDAWとは別に、サブ用途として購入するのもアリではないだろうか。汎用的なMIDIファイルの読み書きにも対応しているので、Singer Song Writerでは楽譜入力やアレンジだけを行ったりと、制作のバリエーションが増えることだろう。

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