作曲のスタイルは人それぞれ。使う機材やソフトも人によって様々。DTMならば楽器が手元になくても、楽器が弾けなくても、1曲丸ごと作ってしまうことも可能。初音ミクなどのボーカロイドを使えば、ボーカルもPCだけで作ってしまうことが可能だ。
楽曲は人によって様々なプロセスで作られるが、今回は代表的とも言える8つのアプローチを紹介する。基本的に楽曲制作の仕方に決まりはなく、自分の好きな方法で作ればOKなのだ。
コード進行から作る
ポップスやロックなどのジャンルの場合、定番の「コード進行」がある程度パターンとして存在している。好きな曲のコード進行を参考しながら、自分なりのコード進行を作るというアプローチ。そして、出来上がったコード進行を元にしてベースやメロディなどを作っていく。今どきのDAWはコード入力をサポートしたり、コードから曲作りをアシストする機能が備わっているものも多い。
メロディから作る
人によって様々だが、散歩中など他のことをしている時にメロディが浮かんで鼻歌を録音しておき、それを元にDAWに打ち込んでいく方法。または、楽器やDAWを触りながらメロディを作っていく方法。
歌詞から作る
歌物の楽曲の場合のアプローチ方法の一つ。詩先とも言うが、言葉の持つ力を最大限に生かしたり、言葉から曲のイメージを膨らませていくアプローチ方法と言えるだろう。
リズムから作る
ドラムパートやベースなど、リズムパートから作っていく方法。EDMやダンス系の楽曲などではよくあるアプローチではないかと思う。DAW(音楽制作ソフト)によっては、リズムパターンのMIDIが予め大量に用意されていたり、ループ素材として用意されている場合もある。
アレンジ(編曲)から作る
ある程度、曲作りの経験がある場合は、ピアノやギターの伴奏パートから曲の全体像を作りつつ、曲作りのアプローチをする方法もある。1曲仕上げるためには、通常はメロディやドラム以外の伴奏パートも必要なので、外側作っていく方法とも言える。
曲の構成(セクション単位)から作る
作曲は最終的に1曲に仕上げれば良いので、必ずしもイントロ→Aメロ→Bメロ→サビ・・・というような順番通りに作る必要はない。思いついたパートや曲の断片から作っていき、DAW上で構成していっても良いのだ。Cubaseの場合は「アレンジャートラック」という機能があり、簡単に構成を入れ替えることができたりもする。
ボーカルパートから作る
ボーカロイドや自分自身が歌い手の場合などは、ボーカルパートから作っていくアプローチ方法もある。ボーカルパートを柱にしながら、伴奏を作っていくのだ。
ミックスなど音作りからアプローチする
最終的な曲のイメージを考えながら、DAWで音色やエフェクトをいじったりしながら曲を作る方法。一見すると逆方向のようなアプローチだが、作曲とミックスを同時に行うクリエイターもおり、ジャンルによっては有効な方法と言えるだろう。
まとめ 曲作りに決まったルールはない
プロがビジネスとしてチームで曲を作るような場合は明確なルールがあるかもしれないが、個人が趣味で曲に作る場合においては、決まったルールというものはない。自分が得意だったり、使っているDAWでやりやすい方法だったりと、最適な作曲のアプローチ方法は人それぞれなのである。
参考文献
当記事作成にあたっては、ギタリストのためのレコーディングマガジン「SOUND DESIGNER」2016年10月号の特集を参考にしました。