
今回は「作曲やDTMに興味があるけど何からやったらいいかわからない」という人にオススメしたい入門本を紹介する。
その入門本とは、タイトルがそのままなのだが『作りながら覚える 3日で作曲入門』という本。著者は初音ミクがきっかけで作曲を始め、作曲歴10日目に発表した曲が話題となったことがきっかけで「10日P」と呼ばれるようになったmonaca:factoryさん。
無料アプリだけで初めてのDTM体験に特化した入門本
作曲やDTM関係の入門本は何だかんだ言って「ホントに入門レベルなの?」と思ってしまうくらい、操作はもちろんのこと、音楽理論や楽器演奏までも要求されたりして、投げ出してしまうくらいな本も実際は多かったりする。筆者も10数冊以上の入門書を読み漁った経験はあるものの、その全てを理解したり、最初から最後まで完璧に書いてあることをマスターできたことは・・・ないような気がするw
それがアマチュアの世界であってもDTM入門の質実ではないだろうか。
そういった「入門レベルを超えた入門書」が多いDTM界隈において、貴重な入門書と言えるのが今回紹介する『作りながら覚える 3日で作曲入門』なのである。同書の冒頭にも同じようなことか書かれているので、おそらくDTMを入門する多くの人が通る道なのだろう。
初心者のDTM体験に割り切った内容なのがポイント
この入門本の特徴を一言で言えば、初心者の最初のDTM体験に割り切った内容に留めていることである。
良くも悪くもこの130ページ程度の書籍の内容を完璧にマスターしたとしても、市販の楽曲はもちろん、ニコニコ動画やYouTubeなどネットで公開されているようなフルコースの楽曲を完成させられるわけではない。
あくまでもDTMソフトでの打ち込みを体験して数小節のフレーズを作ったり、基本的なコード進行を学ぶ内容に留めているので、全くの初心者でも挫折する前に読み終えることができる可能性が高いのである。変な言い回しに聞こえるかもしれないが、世の中のDTM入門本は全くの初心者が取り組むには内容が濃すぎたり、学ぶことが多すぎる場合が多々あるのだ。
そのため、1冊で楽曲制作の全てを学ぶ(実際にはそんなことは不可能だが)くらいな分厚い入門書よりも、内容を限定した入門書というのは個人的にはコンセプトとして間違っていないのである。
WindowsはDomino、MacはGarageBandを使用
この本では特に使うDAW(作曲ソフトのこと)は問わない内容だが、WindowsではフリーソフトのDomono、Macでは同じく無料で使えるGarageBandを操作方法のキャプチャ付きで紹介している。
CubaseやStudio Oneと言った本格的なDAWを持っていればそれを使っても良いし、とりあえずDTM体験がしたいという場合は無料アプリでも学ぶことができる。本の中でコード進行の入力がかなり出てくるので、Cubaseなどコード入力のアシスト機能がついたDAWだとより効率的に学ぶことができるので、すでに有料のDAWを持っている人にもオススメできる入門本である。
おすすめポイントまとめ
『作りながら覚える 3日で作曲入門』のおすすめポイントは
・難しめのDTM入門本が多い中、ホントに初心者にフォーカスしている
・無料アプリだけでDTM体験ができる(WindowsではDomino、MacではGarageBand)
・音楽制作の全てを学ぶわけでなく、最初の入口に特化した内容
という感じになるだろう。決して、DTMや音楽制作を幅広く実践的に学ぶ内容ではないものの、最初の一歩として入門本に最適内容に留めているのが特徴である。マウスなどでの打ち込みができれば特に使うDAWは問わないので、「Cubaseなどの本格的なDAWを買ったけど、いまいち他の入門書が難しく感じる…」という場合にも、再挑戦的に手に取って欲しい入門書と言えるだろう。