Native Instrumentsのリズムマシン系ドラム音源「Battery 4」のレビュー。
実は初心者でも使いやすい“ドラム音源”
Battery 4はプロにも定評ある人気製品ではあるものの、「ドラム・サンプラー」や「リズムマシン」と説明されることが多く、DTM初心者や音楽初心者からしたら、何だか敷居が高くて難しそう・・・と思ってしまいがち。
しかし、実はごく普通にドラム音源として使っても、シンプルな操作でエレクトロ系などの「打ち込み」系楽曲の制作に威力を発揮するフレンドリーな音源でもあるのだ。
打ち込み系の楽曲と相性が良い理由
ドラム音源は大きくわけて2つの方向性がある。
1つは、Native Instrumentsの製品で言えば「Studio Drummer」のように、生のアコースティックドラムの音を再現した製品だ。
もう1つのBattery 4はそれとは違い、生の音を追求というよりは、初めからエレクトロな打ち込み系の電子音楽的なリズムを刻むことを得意とするドラム音源だ。
上記は参考製品だが、量販店のDTMコーナーやDJなどのライブパフォーマンスで、こういったドラムマシンやサンプラーと呼ばれるマシーンをきっと見たことがあるはずだ。Battery 4はそれをソフトウェア的に再現したようなイメージの製品だと思えば良いだろう。
音色を直感的に細かくいじりやすいUI
Battery 4が幅広く支持されているのは、洗練されたインターフェースで直感的に音色をエディットしやすいというのが理由の一つだ。
ドラムで使われている一つ一つの音色を自分で好みのものを設定したり、高品質なエフェクトをかけることが直感的にできるという特徴がある。リズムマシン特融(?)の機能として、リバーズ(音色を逆に再生する)という機能があったり、リズムマシンならではのトリッキーな使い方もできるのだ。
143種類のキットが付属していて簡単に使える
簡単にスピーディーに使えるというのは、特に初心者にとっては重要なこと。
Battery 4はエレクトロ系を中心として143種類のドラムキット(プリセットのようなもの)が付属している。DAW付属のドラム音源の代わりとして、Battery 4をすぐに使うのも容易なのもポイントが高い。
サウンドの傾向としては、Cubase付属のGroove Agentなどと比べると、ある程度、初めから音作りされている印象を受ける。曲作りを進めていくと、ドラムの音色一つ一つに対してEQやコンプレッサーなどをかけていくことが多いと思うが、エレクトロ系のジャンルに適したサウンドが早い段階で得られるというメリットがあるだろう。
プリセットのキットだけでも素早くエレクトロ!
こちらは特にエディットなどをしないで、Battery 4だけで鳴らしているドラムトラック。
普通のドラム音源だと、一つ一つの音色を加工しないとそれっぽくならない場合も多いが、Battery 4だと初心者でも素早く簡単にエレクトロっぽいドラムサウンドを手に入れることができる。
ドラム音源としては完全インストールで4.6 GBの容量と控え目なのも嬉しいポイント。動作も軽快な部類で、Battery 4を使っている時にフリーズしたり動作が不安定になったことはない。
エレクトロ系のジャンルを作ることが多いのであれば、純正ドラム音源の代わりとしてBattery 4を常用するのも全然アリだろう。
Battery 4の購入方法
Battery 4はNative Instrumentsのサイトでの単品販売の他、バンドルパッケージ「KOMPLETE」にも含まれている。
KOMPLETEは記事でも紹介した生ドラム系の音源「Studio Drummer」や、高品質なピアノ音源など多数のアイテムが含まれたパッケージ。単体で揃えるより大幅に割引された価格設定となっている。