アトラスが展開するRPG「ペルソナ」シリーズ。
RPGファンならもちろんのこと、ゲームが好きな人なら名前くらいは聞いたことがあるという人が多いだろう。
ペルソナシリーズの概要と斬新な音楽性
「ペルソナ」はファミコン時代から続くRPG「女神転生」シリーズの外伝的な作品として、1996年に初代PSで発売された「女神異聞録ペルソナ」が1作目である。
心理学やマーケティングの用語にも「ペルソナ」というワードが使われるが、タイトルによって設定は若干異なるものの、ストーリー上においては主人公たちの内面を具現化した存在でとして登場したり、バトル中においては能力を飛躍的に高める切り札のような役割として登場する。
「ペルソナ」は主人公たち自身の能力とは別に、個別に育てたり、レアなペルソナを収集したり、合成などをして強化していくことができるのも大きな魅力だ。
こういった独特な世界観やゲーム性を持っている「ペルソナ」シリーズ。しかし人気の理由はゲーム内容だけではない。ゲーム音楽史にも名を残すくらいに斬新でクオリティの高い音楽にもあるのだ。
今回はペルソナシリーズをまだプレイしたいことがない人というにも、「音楽作品」としてぜひ聴いて欲しいと思うような楽曲が収録されたアルバムを独断と偏見でいくつか紹介したい。
Persona4 the ANIMATION Series Original Soundtrack
ペルソナシリーズ4作目にあたる作品で、元はPS2で発売、その後にPS VitaやSTEAMにも移植された。
日本のどこにでもあるような郊外の田舎街が舞台。霧が発生する真夜中に起こる奇妙な連続殺人事件を主人公たち高校生が解決していくストーリー。
ゲームのストーリーに合わせたアニメ版も作られたが、アニメ版の人気も高い。こちらのサウンドトラックはアニメ版で使われた多数のボーカル曲などが収録されているのが特徴。
オススメの楽曲は多すぎて紹介しきれないがアニメ版のED曲であった『Beauty of Destiny』は必聴。格好いい英語のラップと、ストーリーにも絡んだ英語の歌詞が印象的なものとなっている。
Persona 5 Original Soundtrack
ナンバリングタイトルとして最新作に当たるPS4「ペルソナ5」のオリジナルサウンドトラック。正確にはアッパーバージョンの「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」の方が新しいが、こちらは無印版のサウンドトラックだ。
ペルソナ5は東京が舞台で、現実の東京と同じ地名や街並みが登場するのが特徴。ペルソナ能力を駆使しながら、主人公たち“心の怪盗団”が活躍する大作RPGだ。高校内や東京の街を舞台に活動するが、各所で心理学などの用語が登場したり、ストーリーの奥行が深いのも特徴。日本だけでなく、海外のゲームファンの間でも人気が高いという。
そんなペルソナ5のゲーム音楽の特長としては、学校生活や放課後など主に日常パートで流れるアシッドジャズ系のしんみりした音楽性だ。
怪盗団が潜入するパレスと呼ばれるダンジョンやバトルでは女性ボーカルの楽曲が使われることが多い。ボス戦やペルソナと対峙する時にはシーンを盛り上げるハードロック調のギターサウンドな楽曲が格好いい。
ゲームとしてはRPGとしてややプレイ時間が長くて攻略に時間がかかるという点があるが、普通に音楽ファンにも聴いて欲しい楽曲が多いのがペルソナ5の音楽としての特長だ。
ペルソナ3ポータブル オリジナル・サウンドトラック
元はPS2で発売され、PSPに移植された「ペルソナ3ポータブル」のサウンドトラック。
ペルソナシリーズは移植されたり、アッパーバージョンが出ると音楽も刷新される場合があるが、「ペルソナ3ポータブル」はよりポップな曲調の楽曲が多いのが特徴。ペルソナシリーズの中でも「ペルソナ3」はゲーム性はもちろん、楽曲の方向性についても現在の最新作であるペルソナ5への転換点となった作品とされる。
ゲームのストーリーとしてはダークな部類だが、5や4をプレイした人で3は未経験という人でも、楽曲だけでも聴いて欲しいと思えるサウンドトラックだ。
収録曲で特にオススメなのは日常シーンで流れる「A Way of Life」というボーカル入り楽曲。まさに「日常」にピッタリな楽曲で、人気が高いからか、その後の派生作品や関連CDでアレンジ版を耳にすることがある。
PERSONA SUPER LIVE P-SOUND STREET 2019 ～Q番シアターへようこそ～
こちらの最後に紹介するアルバムは「ペルソナ」の楽曲だけで構成されたライブCDだ。
2019年4月24日、25日の2日間にわたって両国国技館で開催され、13,000人を動員したライブ「PERSONA SUPER LIVE P-SOUND STREET 2019」が音源化されたものである。
ペルソナ3、4、5などの人気楽曲を中心に収録されている、3枚組のボリュームたっぷりなライブ音源だ。ボーカル楽曲を使用したりと音楽性が高いペルソナシリーズだからこそ成立する音楽ファン必聴のアルバムだろう。
