ゲームボーイの画面にインスパイアされたであろう懐かしい薄緑色のドット絵グラフィックのゲーム『メロンジャーニー:ビタースイート・メモリー』の紹介とゲームレビューをお届け。
2023年3月9日に発売されたゲームで、画面こそレトロなものの、PS5、PS4、Switchと今どきの最新ハードでプレイすることができる。
登場人物(?)はハリネズミや猫、犬、ハムスターなどの動物たち
メロンジャーニーで特筆すべきことの1つは独特のメルヘンチックな世界観だ。
プレイヤーが操る主人公こそ普通の人間(ウサ耳は勤務先の制服の一部)なものの、物語に登場する大半の登場人物(?)はハリネズミや猫、犬、ハムスターなどのかわいい動物たちである。
しかし、それぞれの登場人物(?)たちは皆ちょっとばかしユニークだ。
ゲームボーイからスーパーファミコンくらいのタイトルで見られたように、ドット絵でこれでもか!!というくらいに細かなアニメーション表現がされていることに、ついほっこりしてしまうだろう。
画面内に登場する多くのオブジェクトには仕掛けやメッセージが仕組まれているため、探索の面白さだけでなく、世界観に奥行きを与えている。
メロンの所持が違法な街で主人公たちに危険が迫ってくる
ゲームジャンルとしては探偵モノのアドベンチャーゲームになるだろう。戦闘やHPの類はないのでストーリーに集中できる。
物語のきっかけは主人公が勤めるブラック企業の同僚である友人(恋人?)が失踪したことである。
少ない手がかりを元に街で聞き込みをしたり、秘密を暴くのに必要なアイテムを探すのがプレイヤーのすべきこと。
ゲームは数章構成となっており、時に列車やボートを使って街を移動することもある。行動できる範囲は結構広い。
プレイ時間は5時間程度、ゆっくり世界観に浸ろう
ゲームのボリュームとしては普通にプレイして5時間程度となっている。
秘密を暴くためのアイテム探しや、悪の中心地に踏み込むためのパスワードを探すような場面もあるが、いずれもゲーム初心者でも詰まることはほとんどないであろう難易度となっている。
メインとなるストーリー以外にもサブクエストの類が用意されている。
クリアを急ぐというよりも、このレトロでファンタジック、そして危険な香りが漂う独特の世界を余すことなくじっくり堪能するのがメロンジャーニーの正しい旅の仕方だろう。
レトロなグラにマッチするローファイサウンドも必聴モノ
画面がレトロなことも大きな特徴だが、サウンドのレトロ具合も特筆モノである。
あえて音質を落としたレトロなゲーム機風のテクノサウンドは、現代人の疲れた心を深く癒すこととなるだろう。
ゲームの進行には時間制限内などはないので、それぞれの場面においてゲーム内でじっくりで聴くことができる。
また、製品にはサウンドトラックのCDが付属する。CDの視聴環境がない場合でも同じ内容をMP3でダウンロードできるパスワードが貰えるので安心だ。
今どきの3Dグラや長編RPGに疲れたらメロンの謎を解き明かす旅に出よう
メロンジャーニーは発表当時から気になっていた作品だが、実際にプレイしてみると独特の世界観には初代プレイステーションの『Moon』というアドベンチャーゲームを思い出させる部分があった。
『Moon』は本気でクリアしようと思うと難易度の高いゲームだが、メロンジャーニーはゲーム初心者であっても誰でもクリアまで自分のペースで楽しめることにとても好感が持てた。
レトロなグラフィックと音楽が好きで、独特の世界観に浸りながらプレイできるゲームを探している人には、今とてもオススメできるゲームだと言えるだろう。