新型コロナウイルスの影響で、以前よりもニュースサイトをチェックする機会が増えている人も多いのではないだろうか?
同じ内容を伝えているはずでも、ある新聞社と別の新聞社では事実の伝え方が異なっていたり、そもそも事実ではない情報が含まれている場合もあるだろう。新型コロナでマスコミとの向き合い方を改めて考える機会になった・・・という人もいることだろう。
今回紹介する『HEADLINER: NOVINEWS (以下、ヘッドライナー:ノヴィニュース)』は、政情不安定かつ、謎の病気が流行る架空の国家『ノヴィスタン』が舞台のアドベンチャーゲーム。プレイヤーは大手新聞社『ノヴィニュース』の編集長となり、ノヴィスタン国民の世論をコントロールしていくことになる。
インディーズゲーム界隈で密かに話題になっているヘッドライナー:ノヴィニュースは、PS4、Switch、Xbox One、Steamで発売中。今回はPS4版をプレイしたのでレビューをお届けしたい。なお、ゲーム内容を紹介するにあたって、一部ネタバレ要素も含まれることをお断りしておく。
主な登場人物たち
ゲーム内にはプレイヤーを助けてくれる(?)ユニークな登場人物が何人も登場する。
プレイヤー
ゲーム開始時にキャラメイキングが可能。
洋ゲーなので日本人風の見た目を作るのは難しいが、性別は男性、女性、無性から選ぶことが可能。性別はどれを選んでもストーリー本編には多分影響しない。
ボス
プレイヤーの上司にあたるボス。毎朝、会社としての方針が伝えられる。ボスの指示に従うも逆らうも、すべてプレイヤーに委ねられている自由度の高さ。
ただし、給料は毎朝、現金でボスから貰う方式。つまり、ボスのご機嫌を取らないと、そりゃ容赦なく減給されてしまう。金策がシビアなゲームなので、減給されると生活備品を買ったりペットの餌を買うのが苦しくなる。
ジャスティン
プレイヤーの兄。コメディアンを目指して街角でパフォーマンスをしている。精神不安定でトラブルメーカーなポジション。
プレイヤーが住むアパートと新聞社の間の路上でパフォーマンスをしていることが多い。見かけたら彼の生き様について、的確なアドバイスをしてあげよう。
エヴィ
ノヴィニュースに出入りしている外国人特派員記者。
退社時に会社の近くにいることが多い。親交を深めれば食事に行ったり、アパートに泊まりに来たりして、恋愛に発展することも・・・。海外のゲームらしく、プレイヤーが男性でも女性でも恋愛に発展する。
ルディ
何でも屋さん的なルディマートの店主。
部屋に置く雑貨を買ったり、ドッグフードを買ったりすることができる他、ストーリーにも大きく関わることになる。
犬
人物ではないが、路上にいる犬を手懐ければアパートに連れてくることができる。
ドッグフード代がかかるようになるので、手取りが少ないと満足に餌を与えられなくなる場合も。
ゲーム内での編集長の仕事はシンプルだけど
編集長として迎えられたプレイヤーがやる仕事はシンプル。
毎日、記者が寄稿した記事をチェックして、新聞に掲載するかボツにするかを判断するのだ。
それだけ聞くとシンプルなゲームに思えるかもしれない。
しかし、対立する意見を同時に掲載することはできないし、スポンサーとの絡みやボスや政府の意向など、様々な要因を考慮しなくてはないない。編集長は新聞社としての立場を示さなくてはならないのだ。
国民皆保険を推進すれば、多くの人が最低限の治療は受けることができる一方、医薬品が不足したり税金が上がったり様々な問題が起こる場合も予測できる。
編集長と言ってもボスがいるので現実のサラリーマン同様、逆らえば減給処分されたり、最悪、会社にいることができなくなってしまう恐れもあるだろう。政府の方針に反する記事を掲載し続ければ、プレイヤーの上司であるボスが責任を取らされることも・・・。
遺伝子操作が当たり前の国で謎の病気が蔓延
ノヴィスタンは遺伝子操作が当たり前の近未来な国。生まれる前に胎児の遺伝子を操作したり、肌の色を変えたりもできる。
だが、一見すると素晴らしい技術にも何か裏があるらしい。様々な角度から考察した記事が寄稿されるので、的確に判断して紙面を構成しなければならない。
合成アルコール飲料のベターバッズ
プレイヤーが編集長に就任した頃、今まさに発売開始になる新しい合成アルコール飲料がベターバッズだ。
お気楽提言家、スティーブン・クリンガーがベターバッズに関する記事を寄稿してきた。メーカーが宣伝するよう、本当に夢のような新しい飲料なのか、それとも何か人体に害がある悪魔の飲料なのか・・・。
結末が読めない周回前提のマルチエンディング方式
今回紹介した『ヘッドライナー:ノヴィニュース』というゲーム。
プレイヤーはゲーム内時間で14日間という限られた期間だけ編集長をやれるのだが、一周のプレイ時間は2時間程度。
どの記事を掲載するかによって街の風景が次々と変わっていく。時には暴動が起きたり、謎の集団自殺が起きたり、プレイヤーが掲載した記事一つで、世の中が大きく変わっていくのだ。
実際に5週ほどプレイしたが、結末は全て異なっていた。バッドエンド的なエンディングはあったが、そもそもこのゲームにハッピーエンドやトゥルーエンドというものが存在するのかどうか、今のところよくわからない。現実同様、メディアに絶対的な正解というのは存在しないのかもしれない。
新型コロナの影響でメディアとの向き合い方を考えることも多い昨今。インディーズゲームやアドベンチャーゲーム初心者でも、コミカルなキャラクターが登場するなどしてとっつきやすいゲームではある。興味も持った方は遊んでみると面白いだろう。
ヘッドライナー:ノヴィニュース 購入案内
PS4やSwichはダウンロード版の他、サウンドトラックのSONOCAカードが付属したパッケージ版も存在している。
Xbox OneとPC(Steam)はダウンロード版で提供されている。
ダウンロード版はそれぞれのプラットフォームから、同タイトルで検索することで購入することができる。