実売1万円前後のオーディオテクニカから発売中のワイヤレスヘッドホン ATH-M20xBTのレビュー。
DTM用としてもスマホの音楽視聴用としても使える一品
ATH-M20xBTというワイヤレスヘッドホン、元々はATH-M20という有線タイプのモニターヘッドフォンが存在していて、そのモデルのワイヤレス対応版としての位置付けなのが大きな特徴。
何を隠そう、筆者は有線タイプのATH-M20を7年ほど使っていた経験がある。
味付けのない原音に忠実なフラットな音質と、長時間の音楽視聴にも疲れにくいバランスの良さを兼ね備えたATH-M20は手放すのが惜しかったが、7年も使ったためにケーブルの断線が起きてしまった。
故障個所のみの交換や修理も難しいため、新たなヘッドフォンを買い求めることにしたのだが、7年使った安心感もあるため、ATH-M20の音質を継承したATH-M20xBTを選択したのだ。
高音質な有線タイプとしても気軽な無線タイプとしてもOK
有線タイプのDTM用モニターヘッドフォンとしても、今どきスタイルなスマホ用のワイヤレスヘッドフォンとしても使えるのが他のワイヤレスヘッドフォンにはない最大のメリットである。
有線タイプのATH-M20を長く使ってきた筆者からしても、ドライバー部分は同一のため、当たり前と言えば当たり前かもしれないが、付属のケーブルでオーディオインターフェースや携帯型音楽プレイヤーなどと繋げば、有線タイプと同じ音質で視聴することができる。
ワイヤレスヘッドフォンとしてスマホなどと接続して使う場合は、細かな音質の違いまでも忠実に再生するモニターヘッドフォンなだけに、やや高域部分などがザラついた音質にはなるものの、気軽に好きな姿勢で視聴することができる。
シンプルな操作性でモニター用途重視の人には特にオススメ
操作方法は至ってシンプル。他のワイヤレスヘッドフォンを使ったことがある人なら、操作に戸惑うことはまずないだろう。
充電端子は今どきのスマホと同じくUSB Type-Cなので、ケーブルも本体に付属するが、普段使っているスマホの充電ケーブルと共通化することもできる。
有線接続用のケーブルは着脱式なので、断線の場合も市販のケーブルで代用できるのも大きなポイント。
有線ケーブルの装着時は自動的にワイヤレスヘッドフォンとしての機能はオフになり、ごく普通の有線ヘッドフォンとして使用できる。
有線版のATH-M20はケーブルが太くて長すぎたりして使いにくかったが、ちょうどいい長さで使い勝手がよい。
有線版ATH-M20より装着感が改善されている
有線版を使ったことがある立場からすると、ワイヤレス機能以外は全く同じなのかと思っていたものの、装着感が改善されている。
有線版は締め付け感が強いのがネックで、長時間の装着による耳へのダメージが結構強かった。
しかし、ワイヤレス対応版のATH-M20xBTは装着感がかなりソフトに改善されていて、購入直後でも締め付け感がマイルドで、それでいてきちんと耳にフィットするような改良がなされていた。
有線版にあったキャリングポーチは付属しないが、有線版を持っていて、さすがに長期間使用で経年劣化や不具合を感じている人は、ATH-M20xBTに買い替えるメリットは大きいと言える。
まとめ 有線でのモニター用途を中心に無線も使いたい人にオススメ
有線接続時の音質は有線版と同一なので、ATH-M20を使ってきた人には音質的に間違いのない“今どきヘッドフォン”としてオススメできる。
それでいてカジュアルにスマホ等で気軽に無線再生もできるので、ガッツリDTM用に使う場面と両立させることも可能。
モニター用途重視のヘッドフォンなので、最近では標準的な機能となりつつあるノイズキャンセリングは搭載していないが、元々が密閉タイプで遮音性は高い方なので、室内メインで使うぶんには不満が出ることは少ないのではないだろうか。